ハワイの不動産を売却したとき、多くの日本人が決済の場で衝撃を受けます。売却代金の22.25%——連邦のFIRPTA15%と、ハワイ州のHARPTA7.25%を合わせた金額が、源泉徴収として差し引かれるからです。
1億円で売れば、約2,225万円。この金額が、手元に入る前に消えていきます。そして多くの人が「これがハワイ不動産を売ったときの税金なのだ」と受け入れてしまう。
——しかし、それは正しくありません。その源泉徴収額の多くは「払いすぎ」であり、正しい手続きを踏めば、取り戻せます。
なぜ「払いすぎ」になるのか
からくりは、源泉徴収の計算方法にあります。
FIRPTA・HARPTAの源泉徴収は、売却**「代金」の全額に22.25%をかけます。一方、あなたが本来納めるべき税金は、売却「益」**——代金から取得費や売却費用を差し引いた、実際の利益に対して計算されます。この二つは、まったく違います。
たとえば、4,000万円で買った物件を5,000万円で売った場合。源泉徴収は代金5,000万円に対してかかり、約1,112万円が差し引かれます。ところが、実際の利益は1,000万円ほど。この利益に対する本来の税額は、源泉徴収された金額より、はるかに少ないのです。
その差額こそが「払いすぎ」であり、取り戻せるお金です。
さらに、損をして売った場合は、利益が出ていないのですから本来の税金はごくわずか。それなのに源泉徴収は代金に対して機械的にかかっている。この場合、源泉徴収された金額のほぼ全額が戻る可能性があります。「損して売ったのに、大金を源泉徴収された」——これは、取り戻せる典型的なケースです。
取り戻す道はある。しかし、多くの人が諦める
すでに源泉徴収されてしまった後でも、事後の税務申告によって、払いすぎた差額を取り戻すことができます。道は、はっきりと残されています。
それなのに、現実には、取り戻さないまま諦めてしまう人が非常に多い。理由は、この還付手続きが、素人にとってあまりにハードルが高いからです。
米国の税務当局を相手に、英語で、複雑な書類を揃えて申告する。そのためには、まず納税者番号(ITIN)が必要になる。書類に不備があれば突き返され、金額が合わなければ照会が来る。還付までには、順調でも半年から1年という長い時間がかかる。途中で当局からの追加質問に疲れ、不安に耐えきれず——多くの人が、この長い道のりの途中で心が折れてしまうのです。
こうして、本来取り戻せたはずの、数百万、時には一千万を超えるお金が、取り戻されないまま放置されています。
諦めなければ、取り戻せる
はっきりとお伝えします。諦めなければ、取り戻せます。
たしかに、手続きは煩雑です。時間もかかります。特に、納税者番号(ITIN)を持っていない場合は、その取得から始める必要があり、さらに時間を要します。しかし、それは「取り戻せない」ということでは、決してありません。正しい手順を踏み、必要な書類を揃え、当局からの照会に的確に対応し、粘り強く進めれば——半年から1年という期間はかかりますが、払いすぎた税金は、取り戻せるのです。
素人が諦めてしまうのは、能力の問題ではありません。この手続きが、専門知識と、当局とのやり取りへの慣れと、最後までやり抜く粘り強さを要求するものだからです。問題は、「取り戻せるかどうか」ではなく、**「最後までやり抜けるかどうか」**なのです。
取り戻すために必要なこと(概要)
還付を受けるための道筋は、大きく次のようになります。
1. 源泉徴収を証明する、当局の押印済み書類を確保する。 これが還付請求の命綱です。納税者番号がなければ、この書類は発行されません。
2. 納税者番号(ITIN)を取得する。 米国の社会保障番号を持たない場合、まずこの番号が必要です。取得には時間がかかり、ここが最初の関門になります。
3. 売却があった年について税務申告を行い、本来の税額を計算する。 取得費や売却費用を正しく積み上げることで本来の税額は下がり、還付額は増えます。
4. 源泉徴収された金額との差額の還付を請求する。 提出から還付まで、通常は半年から1年を見込みます。
一つひとつは、知ってさえいれば対処できるものです。しかし、知らずに手探りで進めると、番号の未取得、書類の紛失、金額の不整合、申告期限の徒過、英語での照会への未対応——こうした落とし穴が、次々と現れます。そして、その一つひとつが、心を折る原因になります。
FIRPTA・HARPTA還付サポート
すでに源泉徴収されて「あのお金は戻ってこないのだろう」と諦めかけている方。あるいは、手続きを始めたものの、当局とのやり取りで行き詰まっている方。
米国公認会計士(USCPA)・米国税理士(EA)として、FIRPTA・HARPTAの還付手続きを、最後までやり抜くためのサポートを提供しています。
- 取り戻せる金額の試算(まずは、いくら戻りそうかの確認から)
- 納税者番号(ITIN)の取得サポート
- 源泉徴収証明書の確認・再取得の支援
- 税務申告書の作成と、還付請求
- 当局からの照会への対応
費用を差し引いても、取り戻せる金額のほうが、はるかに大きいのが通常です。「もう戻ってこない」と諦める前に、一度ご相談ください。まずは、あなたが取り戻せる金額がいくらになりそうか——そこから一緒に確認しましょう。
さらに詳しく(note・有料記事)
還付を受けるための具体的な手順——命綱となる源泉徴収証明書、ITIN取得の進め方、本来の税額の計算、還付までのスケジュールと注意点、素人が陥りがちな失敗まで——を、より踏み込んで解説した記事を note にて公開しています。ご自身で手続きを進めたい方は、あわせてご覧ください。 ハワイ不動産を売って、代金の22.25%を引かれたあなたへ——その税金、諦めなければ取り戻せます|Akira
本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては、個別の状況に応じた専門家の判断が必要です。税率・制度は改正される場合があります。
