シリーズ第2回 米国税制のインフレ調整+SECURE法2.0で何が変わったか
【第2回】
前回の記事では、
US税制は「制度」ではなく「境界線(threshold)」で決まる
という話をしました。
今回はその続きとして、
👉 2024年に実際に何が変わったのか
👉 それが実務にどう影響するのか
を整理します。
結論から言うと、
制度が変わるというより「見えない前提」が変わっている
のが2024年の特徴です。
目次
■ 2024年の変更は何がポイントか
今年の変更は大きく3つに分かれます:
- インフレ調整(毎年の調整)
- 法改正(SECURE法2.0など)
- 運用・制度設計の変更
一見バラバラに見えますが、
👉 共通しているのは
「税負担の出方が変わる」
という点です。
■ ① 標準走行距離単価(Stndard Mileage Rate)
まずは分かりやすいものから。
2024年:
- 業務利用:67セント/マイル(前年65.5)
👉 つまり:
車を使うだけで
控除額が自動的に変わる
ただし重要なのはここです:
❌ よくある誤解
「単価が上がった=得」
👉 そうとは限らない
理由:
- 実費精算との比較が必要
- TCJAの制限で従業員は使えない場合あり
👉 実務では
「使える人」と「使えない人」で差が出る
■ ② 1099-Kの報告義務(ここはかなり重要)
ここは実務インパクトが大きいです。
従来:
- $20,000 + 200取引以上
2024年:
👉 原則:600ドル以上
👉 実務運用:5,000ドルで段階導入
■ 何が起きるか
👉 多くの人が1099-Kを受け取る
対象:
- ネット販売
- 副業
- フリマアプリ
■ 実務インパクト
これまで:
👉 申告していなくても目立たなかった収入
これから:
👉 IRSに完全に把握される
👉 ここはかなり重要です
■ ③ IRS徴収の再開(地味だけど危険)
COVID対応で止まっていた
- 延滞罰金
- 通知
が再開しています。
2024年:
- LT38通知(徴収再開)
- 延滞罰金復活
👉 結果:
未納税のプレッシャーが急に戻る
■ ④ Direct File(構造を変える仕組み)
IRSが直接申告できる仕組みを開始
(12州限定)
対象:
- W-2中心
- シンプルな申告
👉 ポイント:
税務申告の“入り口”が変わる可能性
ただし:
- 投資所得
- 副業
- 複雑な控除
は対象外
👉 実務的には
中間層だけ簡素化
■ ここまでのまとめ
2024年の変更は:
- 単純な「税制改正」ではない
- “見えない構造”が変わっている